少し前に、SIMを挿せるVAIO S11を購入しました。
VAIO S11用のモバイルバッテリーを自作したので、備忘録と、同じような方がいたら参考にして欲しいと思い記事を書きました。
なお、純正のACアダプタ以外を使う場合は自己責任でお願いします。

自作のモバイルバッテリー
自作したモバイルバッテリー

作ろうと思ったきっかけ

外出時に電源に困らないよう、DC出力(直流出力)が出来るモバイルバッテリーを探しました。
カフェで電源が使えるルノアールは時々利用しますが、タバコ臭い店舗や、近くにない場合もあります。
あと、電源を気にせず移動中やカフェで仕事をできる環境にしたいのもあり、市販商品をまずは探しました。

コンセントが使えるモバイルバッテリー

当初は、以下のようなコンセントが挿せるモバイルバッテリーを考えていました。

しかし、PCのACアダプタも持ち歩かないといけない、重い(上記の写真の商品は587g)、大きい、値段が高いという難点があります。
モバイルバッテリーを充電するには専用のACアダプタが必要で、旅行に持っていくとなると荷物が増えます。
また、VAIO S11のモバイルPCで軽さも重視したので、モバイルバッテリーの重さが一番妥協できなかったです。
容量が小さくても良いので300gぐらいのものを探しましたがありませんでした。

DC出力できるモバイルバッテリー

次に探したのがDC出力できるモバイルバッテリーです。

まず、VAIO S11のACアダプタは、以下の通り10.5V出力 最大3.8Aです。
※写真のOUTPUT2の5V出力は、USB出力があるのでその出力仕様なので関係なし

VAIO S11のACアダプタ

コンセントが使えるタイプより種類はたくさんあり価格もそこそこのものがあります。
DC出力は9Vや12V、16V出力のように切り替えられる機能があります。

しかし、10.5V出力が出来るDC対応のモバイルバッテリーは今現在、売られていませんでした。
(過去に10.5V出力が出来るものが発売されていましたが終売)
また、重さは500g以上する商品が多く、容量を抑えて値段も安く軽いものはありませんでした。

上記の理由で、電子工作の知識が多少あるので自作しようと思いました。

モバイルバッテリーを自作

まずは、完成品や仕様を紹介して、部品などの細かいことを書きます。
↓作成したモバイルバッテリー
モバイルバッテリー完成品

以下のようにしました。

・DC出力(10.5V)
・USB出力(5V)
・18650リチウムイオンを2つ使用
・電池の残量は、リチウムイオンのボルト表示で確認

リチウムイオンと充電器を購入

ノートPCやモバイルバッテリーなどに使われている最もメジャーな18650のリチウムイオンを使うことにしました。
18650は大きさのサイズを表します。18650は多く使われているので購入や電池ケースが入手しやすいメリットがあります。
海外ではリチウムイオンを乾電池のように差し込んで使う製品も増えており、電池の代わりになる日が来るのかもしれません。
調べるとリオウムイオンは取扱を間違えると出火することもあり、海外製品はすぐダメになる場合があると分かりました。
それもあり値段はしますが日本製セルのリチウムイオンとUSBで充電できる充電器のセットを購入しました。
※チリウムイオンは、日本製でももっと安いものもあります。

2017月4月22日追記
実際に使ってみてわかったのは、リチウムイオン電池は「保護回路なし」のものにした方が良い点です。
VAIO充電時は3A近く消費し、また電圧降下が激しいため「保護回路あり」の電池の場合、途中で出力を止めてしまいます。
「保護回路あり」の電池では残量が70%近くあっても出力が止まってしまいました。
色々探してたどり着いたのが、以下の日本製の「保護回路なし」の生セルです。
「保護回路なし」の電池にすることで、出力が止まることなく充電出来ることを確認しました。

充電状態が非常に分かりやすいです。充電は0.5Aと1Aの2つを切り替えられます。

KEEPPOWER充電器

後ほどバッテリー作成中にわかったのは、リチウムイオンは保護回路が入っていものと、入っていないものがあり、3mmぐらい長さが異なります
発売されいているリチウムイオンの多くは保護回路が入っているので少し長いです。
電池ボックスは「保護回路なし」用に作られているものがほとんどで探すのに苦労しました。
(結局は、保護回路なしの電池ボックスを流用しました)

VAIO S11のDCジャックを探す

VAIO S11のDCジャックの大きさを調べました。
メジャーな2.1mmではなく、VAIOサイトにも大きさは書いてなかったので、色々なサイズが挿せるものを書い調べました。

VAIO S11のDCジャック

以下のようにメジャーな2.1mmのDCジャックに挿して使う変換ジャックを購入しました。
そして調べてわかったのが下の写真のFタイプの4.8mm×1.7mmがVAIO S11に合いました。

DCジャックのサイズがわかったのでDIY用に、以下を購入しました。
1個売りもあったのですが値段が高かったので、5個用を買いました。(´;ω;`)

キャップをくるくる回すと、取れてプラスとマイナスの金具が出てくるのでリード線をハンダ付けすればOKです。
作成したDCケーブル。左側の先が黄色いのがVAIO S11に指す4.8mm×1.7mmの大きさで、右側はバッテリーを入れるケースに指す標準の2.1mmの大きさのものです。

作成したDCケーブル

カバンからケーブルだけ取り出してVAIO S11に挿せる長さにしました。
DIYで作ると、ケーブルの長さも好きに調整できるのでいいです♪

昇圧コンバーターを購入

10.5V出力にするためにDCDCコンバーターを利用します。
私は、秋葉原にある「秋月電子」(ネット通販あり)とAmazonの両方で電子部品を探しています
秋月電子は安くてよいのですが送料が500円かかるので、通販よりも秋葉原のお店に行くことが多いです。
Amazonは、部品1個でも送料無料で届けてくれるので(送料がかかるものもある)、秋月電子と同じ値段ならAmazonで購入しています。
Amazon購入時の注意点は、安い電子パーツは中国からの発送なので届くのに1周間~2周間かかる場合があります。

電子パーツでもAmazonプライムマーク(Amazonが発送してくれる)がついていれば、翌日には届きます。
多少高くてもプライムマークが付いているショップで買うことが多いです。

昇圧のDCDCコンバーターは以下を買いました。
出力電圧を自由に調整出来、入力と出力電圧を表示してくれるパネルもついています。
電圧表示はOFFにも出来ます。
なおVAIO S11は充電時に3A近くの電流が流れるため、ヒートヒンクが付いているタイプの購入をおすすめします。

USB出力用に5Vコンバーターを購入

当初は2つのリチウムイオンを並列で使うつもりで、5Vの昇圧コンバーターを購入しました。
(リチリウムイオンは3.7Vが基準。満充電で4.2V)

しかし、なぜか並列ではVAIOの充電が安定せず、最終的に直列接続にしました。
安定しないというのは、1秒充電→1秒停止 を繰り返す状態になりました。
色々、実験して直列だと問題なく充電され続けました

充電→停止を繰り返す原因をさぐるべくテスターで調べると流れる電流が3A→3A未満のように繰り返していました。
直列と並列を比べると、並列のほうが流せる電流は多いはず、なぜ並列でNGなのか考えましたが分からずでした。
もし見識がある方いましたらコメント頂けると喜びます。
電圧はコンバータをかましているので直列でも並列でも10.5V固定です。

直列だと、3.7+3.7=7.4Vになるので5Vの降圧コンバータを秋月電子で買い直しました。

USB端子は、秋月電子で買いました。
USBコネクタDIP化キット (Aメス)

USB端子への配線は「USB 配膳図」などで検索すればたくさん出てきます。
4本線があり、1番ピンが+、4番ピンがーです。
2番ピンと3番ピンは、データ通信用なので使いませんでした。

なお、5Vコンバーターを買う際は、流せる電流にご注意ください。
マイコン用のコンバーターは、20mAとか流せる電流が極小です。USB充電で使うには1.5A以上流せるものを選ぶようにしましょう。

電池ボックスの購入

「リチウムイオンと充電器を購入」で書いたとおり、日本製のリチウムイオンは保護回路が電池に入っており3mm近く長いサイズです。

電池ボックス自体は、「18650リチウムイオン 電池ボックス」で検索すれば、たくさん出てきます。
しかし「保護回路なし」用ですと書かれているものしか見つかりませんでした。

どうしようか迷って写真のように、左右が「く」の時の金具の電池ボックスを買いました。
写真は電池ボックスの「く」の部分をベンチで潰したところです。

電池ボックス

探すのに苦労したので、購入したショップのリンクを貼ります。
秋月電子 電池ボックス BH-186501-A
Yahooショッピング リチウムイオン充電池用電池ボックス 2個<bat-062>

金具をベンチで潰せば、どちらでも使えました。
少しきつめで電池を取り出すのに少し力がいるので、電池を入れるケースに余裕があるなら単体の電池ボックスを買い、指で電池の左右を挟んで取り出せるような空間を設ければ電池の取り出しが楽です。

収納ケースを購入

リチウムイオンやDCコンバーターなどを収めるプラスチックの箱を買います。
当初はリチウムイオン+USBの出力で1つの箱、DC出力コンバータ用に1つの箱で2つを用意しようと思っていました。
しかし、面倒だなと思い1つの箱に収めることにしました。
自作するので透明にして基盤や配線が見える方が萌えると思い透明なケースを探すことに。
秋葉原の秋月電子や、千石電商で探しました。

2017年4月22日追記
コンパクトなケースに作り変えました。

自作充電器

ケースは何種類も比較したところ、以下がサイズ的にも一番良いです。
上記の写真は以下のケースを使用しています。
秋月電子 ABS樹脂ケース(蝶番式・中) 112-TS
外側寸法:117x84x28mm

リチウムイオンの電池ボックスより横幅が少しだけ長く配線が横に出ても問題なく収納出来ます。

モバイルバッテリー完成品

いくつか種類を買い、最終的に使ったのが
横178mmx縦80mmx高さ32mmの大きめの箱です。
300円代でした。
もう少し小さい箱だと、横幅が半分ぐらしかなく、キツキツになりそうなのでしかなく大きめにしました。
なお、透明ではなく黒は灰色なら種類は多いので、最適なケースもありそうでした。

いざ電子工作

作成中の写真は取ってないです。涙
後は電子工作が出来る方なら、難しくはないかと。
時間がかかったのはプラスチックケースに穴を開けることです。
基盤や電池ボックス、DCジャック、USBジャックを固定するためにいくつも穴を開けました。
丸はドリルで開けるとして、USBジャックの四角は丸い穴をいくつかあけヤスリでこするという地道な作業でした。
ハンダつけるよりケース加工の方が時間が長いです・・・。

まとめ

サラッと書いていますが、作ろと思ってから1周間ぐらいかかっています。
DCDCコンバーターは昇圧と降圧を間違わないようにしてください。
私は間違えて10.5V出力するのに降圧コンバーターを購入し何で10.5Vにならないのだろうと購入した商品ページを見ると、小さい字で「降圧用」の文字があったという笑えない話が。

作成後、VAIO S11を充電すると、ACアダプターと変わらぬ早さで充電されました。
そして重さはケースと電池込みで236gという軽さで済みました。
予備の電池2つは、ケースに入れて110gです。

外出時はACアダプターではなく自作したモバイルバッテリーを持ち歩いています。
もう少しバッテリー容量増やしたかったら、18650用のリチウムイオンを追加で購入し、予備電池だけ持ち歩けばOKです。

なお、リチウムイオンの充電は今のところ購入したUSBの充電器で行う予定です。
リチウムイオンの充電を制御してくれる部品は安くありますが信頼度が分からないので、多くの方が使っている製品で充電したほうが安全と考えています。
USB充電なら、車のシガーソケットで使いやすいですし、充電器も小型です。
パソコンを入れるカバンに自作したモバイルバッテリーを常備し、ガンガン外で使っていきます♪