ピケティ「21世紀の資本」の入門書。資本主義の問題点を学べる本のレビュー
最近マルクスやピケティに関する本を読み漁っています。
ピケティ「21世紀の資本」の入門書としてお勧めの本を読んだのでレビュー書きます。
本書は、中学生でも分かるようにピケティの「21世紀の資本」の本を経済用語を解説しながら概要を説明しています。
資本家と労働者の格差は拡大していく資本主義の問題点の核心に迫ります。
雇う側の立場にいる人に、ぜひ読んでいただきたい本です。
魔法少女と学ぶ! ピケティ入門
魔法少女と一緒に、トマ・ピケティ著『21世紀の資本』を学べる入門書が登場しました。
本著は、経済学の基礎をゼロから学びつつ、ピケティの経済理論を理解することを目標としています。
ピケティとは?
まず、ピケティを知らない人に、ピケティのことを少し説明します。(^^)
ピケティは、フランスの経済学者で、2014年4月に英訳された「21世紀の資本」が異例のベストセラーとなりました。
Aamzon.com総合売り上げで1位を記録しております。
2014年12月には日本でも翻訳本が出ました。
経済の専門書としては異例の世界的なベストセラーとなっている本です。
なお、2015年にピケティが来日した際、日本の経済について話し合うシンポジウムに参加し、消費税増税に反対の意見を述べました。
アベノミクスにダメ出しをした等いろいろネットでは書かれていますので、興味がある方は検索してみてください。
「21世紀の資本」は経済の知識がないと難しい
さて、話を戻すと「21世紀の資本」の概要や内容をネットで調べてると非常に難しい言葉たくさん出てきます。
「21世紀の資本」の日本語訳は700ページを超えるボリュームで、kindle版でも4,400円します。( ゚Д゚)
経済用語も多数出てくるので、知識がない状態で読むのは厳しいです。
例えば、ピケティのキーワードといっても過言ではない「r>g」という不等式。
「資本収益率は、世界経済成長率より大きい。よって資本家と労働者の格差は開いていく」という事を言っているのですが、意味を理解できる方は非常に少ないのではないでしょうか。
そんな方に本書はお勧めです。
経済本の入門書としても最適
「魔法少女と学ぶ!ピケティ入門」では、まずGDPの説明に始まり、資本主義とは共産主義、新自由主義とはなど経済用語を分かりやすく解説しています。
中学生でも分かるような説明を心かけているだけあって非常に分かりやすいです。
GDP1つとっても、国内総生産を表すということは知っていても、どうやって算出しているの?どういう意味があるの等、詳しく説明しようとすると言葉がつまるのではないでしょうか。
産業革命から現在までの成果経済の変化、今後の中国やインドが経済の主権を握るといわれている理由も分かるようになります。
なんとなく知ってる経済の知識が深まります。
また、ピケティが「21世紀の資本」で述べている事の概要を学ぶことが出来ます。
ピケティの本に関する本を読んで一番分かりやすかったので、ピケティの日本語訳を読む前にお勧めの本です。
まとめ
資本家と労働者の収入格差は、今後ますます広がっていくとピケティは予想しています。
マルクスは資本主義の問題点として資本家は労働者を奴隷のように扱い、労働者から剰余労働を搾取していると言いました。
マルクスの理想は共産主義で現在ではうまくいかない事が分かっています。
しかし現在の資本主義は共産主義の良い所を取り入れて発展してきました。
ピケティは、マルクスと視点や解決策が異なりますが、資本主義の問題点を浮き彫りにしました。
我々の仕事に置き換えて考えると、ネットの仕事は利益率が高いのに、外注さんに還元せずに少しでも安く使おうという方が非常に多いように感じます。
高い理想をもった経営者、従業員をたくさん雇い社会貢献しているでしょ?という経営者を何人も見てきました。
しかし、1年後にお会いすると従業員は総入れ替えしていたり・・・。
安く働かされ続けたり、コマのように扱われていると感じると、会社を辞めていくのではないでしょうか。
最後は経営者の人間性の問題なのかなと思う今日この頃です。
非常に心に刺さった本の言葉を引用してまとめを終わります。
資本をもっている強者には、”弱者を思う人間性”が、そして困っている弱者には”努力を放棄しない人間性”がそれぞれ求められている。